2011/07/15

MIKUNOPOLIS以外のANIME EXPO 2011



"MIKUNOPOLIS"は"ANIME EXPO 2011"の中のイベントのひとつでした。先に中枢部分だけをレポしてしまったので、内へ掘り下げずに外へ広げる不自然な作戦を採らざるを得ませんw
というわけで"ANIME EXPO 2011"について書いてみました。


このANIME EXPO 2011は7/1~4の間、米国ロサンゼルスにあるロサンゼルスコンベンションセンター(LCAA)で行われた、北米最大のアニメフェスティバルです。


わたしが現地に到着したのは1日の午後。もう夕方近くになっていました。

ただし、わたしは2日だけ通用の1日券($50)を買っていたのでロビーまでしか入れません。しかしロビーには…












そりゃもう全身に激痛が走るようなカローラ(公式!)。
その場で用紙をもらって簡単なアンケートに答えるとポスターをもらえます。

ちなみに翌日は別のデザイン、またライブ会場前でも別のデザインのポスターを配布していました。実は帰国する日はまた別のポスターを配っていたのですが、それはわたしはもらえずじまい。またライブ当日に会場前で配布していたミククッションも品切れで受け取れませんでした。それらは非常な心残り。


そんなわけでポスターは2日間で合計3枚ゲット。後ほどDIYに行って下水用のパイプを買ってきてポスターに折り目をつけず日本に持ち込むことに成功します。



この日のうちに受付に行って「明日の入場仮券を持ってるんだけど本券に交換できるか?」と問うてみたらあっさりOK。
このイベントは、まず自宅からネットで予約してクレジットカードで支払いを済ませると、バーコードと予約番号がメールで送信されてくるので、これをプリントアウト、あるいはスマートフォン画面に表示して受付に提示すると、首からぶら下げるタイプの正式入場券をくれる仕組みになっています。

この日は入場券を手にしただけでおとなしく引き下がり、大手を振って入場できる翌日を待ちます…

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さて明けて7月2日。
9時開場と勘違いして8時半に現地に着いたら10時開場でした。歩道橋のような場所の下に列を作って待たされます。
このLACCは西館と南館に分かれていて、メインホールが南館、各パネルの会場が西館。その間をつなぐ渡り廊下(実はここにも小さな会議室がたくさんある)が道路をまたいでいる、その真下に並んでいると考えてください。

10時の5分ほど前に列が動き出し、そのまま場内へ。特に拍手などはありませんでした。
まっすぐに"MIKUNOPOLIS"ブースに向かい、公式パンフレットとコースターを購入します。やはり人気があるのか混雑しています。

そのあと同じ場所から伸びる応援ねんどろいどの購入列にも並んだのですが、販売開始まで1時間ほど待たされる時間がもったいないと感じたのと、これはわたしよりもむしろ現地の人に買ってもらいたいと考えて途中で抜けました。このねんどろいどはチャリティになっていて売り上げの一部が赤十字を通じて東日本大震災の義援金となるのでね。


場内をあちこち見て回ります。広いといえば広いけど、メインホールは東京ビッグサイトの西館ワンフロアよりも小さいと思う。かなり余裕を見た通路幅・ブース設置にもなっているし、座って休憩できる場所や軽食の売店もあります。

大半の部分が企業ブースになっており、日本でも見覚えのある会社も出展しています。

…しかし"YAOI"って。




奥のほうは"Artist Alley"という同人コーナー。それほど多くのサークルが出ているわけではないけれど、レベルは高いですよ! 日本でよくある二次創作の薄い本は見当たらず、ポスターやポストカード、缶バッジなどが主流でした。大きなものではタペストリーなどもありました。

これらを購入しましたが、ちょっと高かったですね。これで1枚$10ぐらいします。同人の相場はわたし詳しくは知りませんが、強気の価格設定だなあと思いました。日本は国民あげて出版物印刷物が大好きなのでタウンページなどを見ても印刷屋さんがたくさんありますが、米国ではそうもいかない…という事情もあるのでしょう。

著作権や二次創作に対する考え方が違うから薄い本が出ないのか、それともオリジナルも含めて自分でシナリオを構成するところまではいかずにファンアートで止まっているのか、その辺りの事情は判然としません。しかしあそこに出展してきていた人たちの絵のレベルは非常に高い一方で、ひとつひとつのイラストの価格なども考え合わせると、同人の層そのものは厚くないと考えたほうがいいのかもしれませんね。

いっぽう、外食の価格などを考えるとむしろ日本の物価が安すぎるという考え方もできると思いました。たとえば今回の旅行中、ある日の夕食として街中にあるカジュアルなレストランに入ってビールを1杯とサラダにパスタを注文し、これに税金とチップを上乗せしたら$30になってしまいました。大きなホタテや海老がゴロゴロ入った美味しいシーフードパスタでしたが、$30には少々慌てました。ちゃんとコースでスープとかデザートまで頼んだら$50行ったでしょう。
これを基準にするなら町の印刷屋さんも日本の倍近い価格で印刷を引き受けた結果としてポスターが倍額で頒布されても不思議はない…かもしれません。さて真相は?


そしてコスプレの多いこと。それもなかなかに本格的です。










わたしが"Would you mind taking your picture?"と問うと、一瞬「えっ私!?」みたいなはにかんだ笑顔を一瞬見せながらも"Not at all!"と返事をするやいなやパッとポーズをキメてくれるのです。
(どの方もその戸惑ったような笑顔がとても可愛らしいのですが、それは撮影した人たちだけが知っている真実の笑顔なのですよ…)


コスプレ衣装そのものは米国でもウェブなどを通じて購入できるはずですし、日本から個人輸入している可能性もありますが、サイズを考えると日本人向けの衣装がそのまま着用できるとは限らないので、自作も多いことでしょう。
ショービジネスの本場・ハリウッドを抱えるロサンゼルスですから何事も本物志向。細部や小物にも手を抜きません。(ホントかよ…w)



地毛でリンコスできるってのは強みかもしれません。
(世界中どこ探しても地色でミクは無理だろうからなw)








「マトリョシカ」「magnet」など作品別コスも見かけられました。







もちろんVOCALOID以外のコスプレもたくさんいましたよ。






















そしてコスプレしたまま帰ってゆくのです。あるいは飲みに行ってしまったり。これは夕方、会場の隣の駅のそばで撮影したもの。







このあとわたしは食事のために一度会場を離れ、午後は西館で行われたカンファレンスに出席します。
壇上にはクリプトンの佐々木さんと、プロデューサ代表の小林オニキスさん。

発売元のクリプトンとしては、北米でのマーケティングを兼ねてのカンファレンスということでした。実は英語版ミクの開発が進んでいるのです。ただし「中の人」こと藤田咲さんがあまり英語を得意としておられないとのこと、ルカとは違ってカタカナ英語になるやもしれません。

席上、佐々木さんが「英語ミクの試作品がですね…今夜この近所で大音響で聴けるかもしれませんね…」などと言い出しました。会場大喝采。もちろんこれが何を意味するかって言ったら当然これですよ。


佐々木さんはいくつもの質問を会場に投げかけます。日本でそうなっているように米国でもプロデューサを指名して聴くような動きはあるのかどうか、あるいはどこでVOCALOID楽曲を探して聴くのか…
それによって英語ミクが成功するかどうか、言ってみれば現状では消費一辺倒に近い米国からプロデューサが誕生するのかどうかというところが、やはり発売元にとっての一大関心事であるわけで。

小林オニキスさんも「米国人の感性で作られたVOCALOID曲が聴きたい!」と。わたしもそう思います。海の向こうからもいい曲が届くようになれば、日本のプロデューサとの切磋琢磨も生じることでしょうし、米国人が作った歌に日本人がイラストをつけて…なんて展開も出てくるかも。インターネットによって国際的な交流が簡単にできる世の中なんですよ今は。

わたし自身、これからミクが米国でも売れる=米国人ボカロPが次々誕生するかどうかは、VOCALOIDの将来を考える上でとても重要な分岐点であろうと考えています。


しかしながら。
実際には英語版のVOCALOIDはいくつも発売されていますが、それらがあまり外国で活躍しているという話は聞いたことがないのです。とても残念なことだと思います。ルカなら今すぐ日本語と英語の両方で歌えるし、SweetAnnやBigAlなどのVOCALOID2エンジン搭載のソフトも多々出ているのに、それでもミクなのはどうしてなんだろう? やはりいまだ米国はキャラ重視のところにとどまっているのかもしれません。

今はまだキャラ重視でもいいのですが、「俺の歌をミクに歌ってもらいたい!」と思うあまりに消費者から生産者にクラスチェンジする米国人がどのぐらい出てくるのか、そこにとても期待しています。



時系列としてはこのあと、すでに書いたとおりライブに行きました。
http://hankthornfeld.blogspot.com/2011/07/mikunopolis-nokia-15anime-expo-201150.html


この日記に関する写真は、ここに貼りつけなかったものも含めてPicasaに置いてあります。
https://picasaweb.google.com/103134350275315987925/ANIMEEXPO2011?authkey=Gv1sRgCLvzjYHe3ejPNA#

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