2011/07/10

MIKUNOPOLIS




米国ロサンゼルスで7月2日(日本時間3日昼)に開催された"MIKUNOPOLIS(※1)"に行ってきました。

午後7時の開場時刻。会場であるNOKIAシアター前には黒山の人だかりができていました。


チケットは発売から2週間でとっくに完売。追加販売も直ちに完売。チケット代金$15は確かに安いってのもあるけれど…このイベントは"ANIME EXPO 2011(※2)"の一部なので、本体入場料の$50/日は別にかかっているわけです。

シアター前にはトヨタの痛カローラも展示されていました。ミクさんがトヨタの宣伝してるのか、逆にトヨタがミクさんの宣伝してくれてるのか、よくわからなくなってきました(※3)。

そして開場準備が整うと大歓声! 係員の「列を作れ」の指示を待たずにわぁっと列ができあがってゆきます。そして金属探知機によるボディチェックを受けて入場。カメラのこともあるけど銃社会だからね… ともかく中に入ってホール1階入口でチケットを見せると「上だ」。2階で見せると「上だ」… 3階席ですか…
(チケットは販売順とは別に早い者勝ち座席指定とされていたので、この日からANIME EXPOに本格参加したわたしはちょっと手遅れになってしまったのです。)
しかし後ろのほうの座席っていうのは、これはこれで喜びがあるものなんですよね…(※4)

厳重な(見た目にはね…金属探知機はともかくバッグの中も目視確認されているのだけど、そこは結構甘かったみたい?)ボディチェックの影響か入場が遅れ、開演もずれ込むことに。

依然として入場が続く中、司会者のDanny Chooさん(※5)が登場。
この日はすでにANIME EXPOは2日目。初日にクリプトン伊藤社長の基調講演、この日の午後にもクリプトン佐々木さんと小林オニキスさん(※6)によるカンファレンスがありました(わたしは初日の方は参加できなかったけれど、佐々木さんと小林さんの方には参加しています)。そして、その両方で、参加者の皆さんにあるキーワードが授けられていたんですね。

この動画の1'40"前後から。

一応申し上げておきますが、日本からの参加者は公式ツアー(※7)の44名と、その他わたしを含めた個人参加者は数えるほどでしょうね。トータル5000名を超える参加者のうちせいぜい1%かそこら。残りは米国やカナダ、その他外国からの皆さんなんです。白人も黒人もアジア系も。それが声を揃えて「ミクサンマジテンシ!!」ですよ。これは胸熱としか言いようがない。「ミクさんマジ天使」は日米の共通語になりました。

その後は前座を務めるDANCEROID(※8)のおふたりが登場。「ルカルカナイトフィーバー」などを2~3曲踊ってくれました。

このあとちょっと、依然として入場が遅れているために時間調整が入ります。トヨタのCM(※9)も流れます。
会場はオペラも上演する本格的な劇場。バルコニー席と急傾斜の3階席がありますが、バルコニーは角度が悪いためミクが見えないとして使用しません。1階席の舞台に向かって右側も一部使用しません。満席だと7500名ですが、主催者発表では5100…そんなもんだったはずです。ちなみに1階席前方は関係者招待席。

この遅れている間、サイリウムを振る人が出てきたのでわたしも緑をポキリ。7~8本も持ってきてあったので周辺のお客さんに「振るか?」と差し出すと大喜びしてくれました。後ろの少女は"Wow!! Thank you so much!"と飛び上がらんばかり。隣にいた大柄の白人はドル札を数えながら「これが何かは知ってるがライブで振るのは初めてだ。いくらだ?」と。お代は丁重にお断りしておきました。
わたしの他にも大量のサイリウムを持ち込んだ日本人がいたり、ロビーでも販売していたりして、最終的には1階席でもかなりの人たちがサイリウムを振っていました。


そして何だかんだと15分ほど遅れて…
まずは"Project Diva desu."が流れ、2曲目「ワールドイズマイン」でミクさん登場。NOKIAシアターに絶叫がこだまします。

まず声援。すごい。女性が多いせいか甲高い悲鳴がすさまじい。日本では男が多いので地鳴りのようになるのと対照的。それからみんな曲を良く知ってる。
シアター自体も音響がかなり良い様子。そりゃあライブハウス(※10)と比較しちゃいけないよね。後半は一部でちょっと高音が割れるような感じがあったけど、あれだけ大きな音でこの程度の音割れなら許せる。

そしてサイリウム。最初は割と思い思いに振ってたんですよみんな。おそらく振った経験あるのは日本人だけで、それは全体の1%かそこら。曲に合わせて振るサイリウムをYouTubeで見ていた人たちばかり。それがどんどん揃ってきて、最終的には振り方が確立されました。彼ら、ミクさんの動きと曲調で振り方を変えるということを90分で会得しました。関係者席までも!

1階後半は最初から総立ちでした。1階前方の関係者席は最初はおとなしく、次第にサイリウムが綺麗に揃い、アンコールでは関係者まで立ち上がっていたのです。わたしは最後まで立ち上がりませんでした。理由は後ろの席に少女がいたからです。しかし全体的に3階席では立ち上がる人は少なかったようです。

ミクさんの映像も良くなっていました。感謝祭の映像は「立体的な映像だな」という感じ。それでも充分すごいと思っていましたが。
しかし今回の映像は、透過スクリーンが水槽のように見えて、水槽の中でフィギュアが踊っているようなプラスチックの質感が見えました。映像ではなく実体が見えるかのようになってきたのです。動きもなめらかになりました。

こちらで数枚の写真が公開されています。

3曲目の「えれくとりっく・えんじぇぅ」を終えたところでご挨拶。

 「はじめまして~ 初音ミクで~す」

と、まあ例によって間の抜けた(笑)声で。しかしあのしゃべりは良調教だった。

続いて「恋スルVOC@LOID」「クローバー・クラブ」「ぽっぴっぽー」。
特に「ぽっぴっぽー」は2番が英語版! 一瞬ためらうような感じをみせた観客でしたがわぁっと盛り上がってきます。そして「ロミオとシンデレラ」。曲ごとに衣装もどんどん替わります。

そして「裏表ラバーズ」「パズル」「VOiCE」「1/6」をメドレーで。
「裏表ラバーズ」後にはミクによるバンドメンバー紹介がありました。ここは英語でしゃべっていました! 通じたかどうかは疑問符ですが…
さらに「moon」「初音ミクの消失」と続きます。「消失」は去年の感謝祭とはまるで違う衣装で登場しましたね。演出は同じでしたが。

ここでミクが下がってリンレンが登場。また割れんばかりの絶叫の中を「右肩の蝶」、リンが残って「炉心融解」。これは正直よくやったなと思いますが。
続いてルカ登場で「Just Be Friends」。
誰も何も言わないのにルカの腕の振り方を見てサイリウムを合わせてる米国人。驚きました…

ミクが再登場してルカとともに「ワールドエンド・ダンスホール」。これがまさかの英語版! まあ正直何言ってるかちょっとわからなかったのですがw

ミク単体に戻って「from Y to Y」。続く「サイハテ」ではちゃんと喪服で登場します。さらに「ファインダー」そして「SPiCa」で〆。SPiCa砲(※11)は炸裂しませんでした。銃声と間違うから?w
(後日談:中の人1号さんのTwitterによれば機材と予算の都合とのこと。大きい会場でそれなりに見栄えのする一発を繰り出すには相応の予算が必要なのでしょうね…)

これにてバンドメンバー退場。アンコールのかけ声が揃わずにおかしな感じでバラついていましたが、これも次第にミクコールに揃ってきます。
そしてバンドさんたちが戻り、ミクも再登場して「愛言葉」「StargazeR」。
ここで何事か英語でメッセージを伝えます。しかしこれは聴き取れませんでした。

そして最後の曲は「ハジメテノオト」。特別アレンジです。
これは正直、きましたね。米国初上陸してこれだけの観客魅了して

 「世界のどこでも わたしは歌う それぞれのハジメテノオトを♪」

…これって米国での第一歩を踏み出した証であるとともに、日米のみならず世界のどこへでもという大変な決意表明にも聞こえるわけで。そりゃあもう夢心地もいいところでございます。

 ■ セットリストはこちらでまとめてくださいました。


会場を出ると、いくつかのTVスタッフが取材をしていました。

日本のTV局も来ていました。

途中のバーでご機嫌でビールを飲み、チップをはずんでホテルに戻って一息ついたところで急にいろんなことが思い出されてきました。
…もう4年も前になるのですね。01_balladeを聴いて度肝を抜かれたときのこと、ネギを振る例の動画を毎日何十回も見てるけど中毒ではないと言い張った頃のこと、TBSの番組にコケにされたりGoogle検索で画像が出ないと大騒ぎしたときのこと…

「ミクは俺の嫁」とはよく聞かれることばですが、発売前後からずっと追いかけてきた自分たちにとっては嫁以上に「ミクは俺の娘」なんですね。「娘」が成長して世界で活躍するさまを目の当たりにして、まだポワンと光るサイリウムを握りしめて涙が止まらなくなりました。本当に来て良かった。ライブ見て良かった。太平洋の向こう側でこんな思いができたのは、関係者を別とすればわたしの他には公式ツアー44+αの限られた人間だけ。幸せです。


(※4)かつて、栗林みな実さんのライブで2階最後列から素敵な風景を見ることができました。会場全部が見渡せるというのは結構すばらしいんですよ。
(※5)日本のオタク文化を米国に紹介する伝道師(?)
(※6)「サイハテ」の作者さん
(※7)「無事に終了しました」って書いてあるけどね…ホントはね…
(※10)09年8月31日開催「ミクFES'09」の経験に基づく。
(※11)これの3'08"頃


[追伸1]
YouTubeなどを探すとライブの様子を収めた動画が見つかります。しかしこれら動画に対しては映像の権利者たるセガさんが削除要請を積極的に出しているところです。動画を貼っても早晩リンク切れとなる可能性は高いし、動画の不正流出を許してしまうとDVD発売への影響も考えられることから、ライブ本編の状況を客席から不当に録画したことが疑われる動画を貼らないことにしました。
わたしが日記に貼った、日米の報道を録画した3本の動画からも状況の一端を知ることはできると思います。
(正直言ってボディチェックが甘かったよね。金属探知機まで持ち出した割にはわたしのカメラも野放しだったもんね。その気になればわたしにも撮れました。やっぱり銃砲類の取締りが第一義だったんだろうなー。)

[追伸2]
上記の他、いくつかの関連記事をまとめておきますね。リンク切れご容赦。

■ 【伝説】「米ロサンゼルス 初音ミク コンサート」が感動の大成功すぎてNHKのトップニュースに 2のまとめR 7/4
(これの元記事・NHKニュース 7/3)
■ 架空の歌姫「初音ミク」が海外初公演 米ロサンゼルス 朝日新聞 7/3
■ 初音ミク、海外ライヴ・デビュー! ニコ生中継も大好評! CDジャーナル 7/9
■ ノキアシアターを埋め尽くす歓声! 初音ミクがロサンゼルスで海外ライブデビュー 電撃オンライン 7/5

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